リフォーム業者を選ぶときは、それぞれの得意な施工をチェックし、複数社を比較検討することが大切です。
また金額だけではなく、見積書の内容や保証・アフターサービスの有無にも注目しましょう。
この記事では人気の大手リフォーム業者に触れながら、水回りやフルリフォーム費用相場、リフォーム業者の選び方を紹介します。
費用や機能性、デザインにもこだわった理想のリフォームを目指したい人は、参考にしてください。
リフォーム業者選びは、仕上がりの満足度を左右する重要な役割があります。
業者によって得意な施工が異なるため、特徴を理解しないまま依頼すると失敗につながる恐れがあるからです。
ここでは、実績が豊富な大手リフォーム業者のなかから、特におすすめな5社をピックアップしました。
「新築そっくりさん」は住友不動産が運用するリフォームのトップブランドです。
500万円以上かかる大規模リフォームの受注実績が豊富で、耐震補強やスケルトンリフォームなど、大掛かりな施工にも対応しています。
中古物件を購入して全体を変更する場合など、広範囲にわたるリフォームを検討している人におすすめです。
新築そっくりさんは、本体工事費に住宅設備費を加えた「完全定価制」を採用しており、依頼主が希望しない限り追加費用は発生しません。
リフォームは工事内容の変更などで費用が加算されるケースもありますが、定価システムなら安心して利用できます。
「三井のリフォーム」は、三井不動産が展開するリフォーム事業です。
心地よい空間によって新たな価値を提供する「デザインリフォーム」を得意としており、修理・修繕の枠を超えた理想の住まいづくりをサポートします。
機能や使いやすさだけでなく、日常が映える美しい空間にもこだわりたい人におすすめです。
また三井のリフォームは、創業から40年以上の実績があるデザインリフォームの先駆者です。
財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが主催する「住まいのリフォームコンクール」では、業界トップクラスの受賞数があります。
「パナソニックリフォーム」は、2013年から全国でリフォーム工事の請負や設計、施工管理、アフターサービス業務などを行なっています。
戸建やマンション、古民家などさまざまな住宅に対応していますが、特にマンションリフォームの満足度が高いことが特徴です。
2021〜2022年の「オリコン顧客満足度調査」では、リフォームのランキングで2年連続1位を獲得しました。
また幅広い商品に精通し、提案力が優れていることも魅力の1つです。住宅設備や家電づくりの経験をいかし、ライフスタイルに合った設備を提案します。
家電販売を手がける「エディオン」は、リフォーム・住宅関連事業を行う会社でもあります。
得意とするのは、家電量販店ならではの品ぞろえをいかした水回りや省エネ・節電関連のリフォームです。
最新の家電や設備機器を知りつくしたプロが、希望に合ったプランを提案します。
またエディオンは、年間14万件以上の豊富な受注実績があります。
リフォーム販売をパッケージ化したわかりやすい価格設定を採用しており、費用が不明瞭になることもありません。
ダイニングやキッチン、浴室などの部分リフォームを検討している人におすすめです。
「ヤマダ シアワセリフォーム」は、家電量販店のヤマダが展開するリフォーム事業です。
キッチンや浴室などの水回り、オール電化、外壁・屋根、内装などのリフォームに対応しています。
「工事費込みの費用がわかりづらくて不安」という人におすすめなのが、標準工事と設備がまるごとセットになった「水まわりリフォームパック」です。
施工箇所・メーカーごとの費用感が記載されているため、はじめてリフォームをする人でも予算をイメージしやすいでしょう。
また設備は10年間の保証が付いており、万が一、初期不良などのトラブルがあっても安心です。
リフォームは施工範囲や設備の種類などによって、費用が変わりやすいことが特徴です。
また部分的なリフォームであっても場所によって相場が変わり、水回りは費用が高くなりやすい傾向があります。
ここでは、人気の施工箇所であるキッチンやトイレ、浴室、外壁などの費用相場をまとめました。
家全体をリフォームする場合の費用相場は、戸建住宅・マンションによって異なります。
戸建住宅は500〜2,000万円ほどで、120平米以上の広い住宅や、グレードの高い設備を導入する場合などはそれ以上になることもあります。
一方、マンションの費用相場は450〜1,000万円ほどで、戸建住宅よりもやや金額は安めです。
しかし、戸建住宅と同じように広さや設備、建材などによっては1,000万円以上になることもあります。
スケルトンリフォームを行うかどうか、間取り変更をともなうかなどの条件によっても費用は異なるため、業者に予算を伝えたうえでリフォーム内容を検討するとよいでしょう。
キッチンリフォームの費用相場は50〜150万円ほどです。
同じサイズのシステムキッチンに入れ替える場合は床・壁をそのまま使用できるため、比較的安く施工できます。
しかし、壁付けキッチンからアイランドキッチンに変更するケースなど、シンクの移動がともなう場合は配管の移動が必要になるため、費用が膨らみやすいでしょう。
トイレリフォームの費用相場は、20〜50万円ほどです。
内装工事の有無によって金額が変わりやすく、キャビネットや洗面台などを増設したり、床材・壁紙を張り替えたりすると費用が加算されます。
また、タンク式をタンクレスに変更する場合はやや費用が高くなり、30万円前後を目安とするとよいでしょう。
浴室リフォームは、水回りで特に費用がかかりやすい箇所の1つです。既存の浴室タイプは何か、どの設備を導入するかなどによって金額に幅があります。
古いユニットバスを解体し、新しいものに全面交換する費用相場は60〜150万円ほどです。
また、タイルや石材などを使った昔ながらの在来浴室のリフォームは、40〜250万円ほどを目安とするとよいでしょう。
3点ユニットバスのトイレを分離させる場合など、水回りの移動がともなう場合は100万円以上の費用がかかることもあります。
外壁塗装の費用相場は、80〜200万円ほどです。塗装の面積だけでなく、塗料の種類によっても価格帯は大きく異なります。
安すぎる塗料は耐久性が低くすぐに塗装が剥がれてしまい、こまめな塗り直しでかえって費用が高くなる可能性も少なくありません。
塗料を選ぶときは耐用年数にも着目し、費用とのバランスを検討するとよいでしょう。
シロアリ対策リフォームの費用相場は、被害範囲や場所によって金額が大きく異なります。
水回りのみなど、小規模なリフォームであれば20〜100万円ほどで施工できますが、床下や壁、外壁など建物の躯体を修繕する大掛かりなリフォームは300万円以上かかるケースも少なくありません。
またリフォームとあわせてシロアリ駆除をする場合は、駆除費用も加算されます。
リフォーム業者の特徴や保証内容、見積書は業者を選ぶ大切な判断材料です。
まずはリフォーム業者の得意・不得意な施工をリサーチし、複数社に相見積もりを取りましょう。見積書がそろったら、内容や費用、担当者の対応などを比較します。
リフォーム業者を選ぶときは、ホームページなどで過去の施工実績を確認しましょう。
「おしゃれで心地よい空間デザイン」「間取り変更をともなう大掛かりなリフォーム実績が豊富」など、リフォーム業者にはそれぞれ得意な施工があるからです。
希望のリフォームと近い内容が実績に記載されていれば、満足度の高い仕上がりが期待できます。
また、リフォーム業者に求める条件をあらかじめ明確にしておくことも大切です。
リーズナブルな価格設定や機能性、見栄えのよさなど、何を重視するかによって業者を選ぶ視点は大きく異なります。
あらかじめリフォームの希望を洗い出し、優先順位を決めておくと条件を取捨選択しやすいでしょう。
工事中とリフォームの完了後にどのような保証・アフターサービスが付くのかも、きちんと確認しましょう。
リフォームは専門的な技術が多く使われているため、仕上がりの質を素人が判断するのは難しいものです。
一見すると問題なく施工が行われているように見えても、実際に生活をはじめた後に欠陥が見つかるケースも少なくありません。
完成後の欠陥や施工ミスなどに、どの程度対応してもらえるかはリフォーム業者によって異なるため、保証内容を比較検討してください。
保証期間の長さは、施工内容やリフォーム業者によって1〜3カ月、また5〜10年などさまざまです。
また、リフォーム業者によっては無料の定期点検サービスを実施しており、数カ月ごとにプロが状態を確認してくれることも。
点検の内容にもよりますが、やはりなるべく長く、こまめに点検を行ってくれる業者のほうが安心感は高いはずです。
定期点検の有無や回数もあわせてチェックするとよいでしょう。
リフォーム業者を選ぶときは、必ず2〜3社を目安に相見積もりを取り、見積書の内容を比較しましょう。
どうしても金額に注目しがちですが、記載項目や工事内容などはリフォーム業者によって異なるため、細かな内容を確認することが大切です。
特に見積明細書は専門的用語が多く、内容が正確かを見極めるのが難しいものです。
まずは、下記の項目を確認し、不明な点があれば担当者に問い合わせるとよいでしょう。
また、見積書の作成日と有効期限も重要な項目です。
期限が切れると再度見積書を依頼しなければならないため、いつまでに決断すべきかを決める参考にするとよいでしょう。
リフォームは施工の正確さなどを素人が判断するのが難しく、悪質業者による詐欺被害も見受けられます。
また、工事中に発生する大きな音や臭いなどによって、近隣住民との関係が悪化してしまうケースも少なくありません。
ここでは、このようなトラブルを避けるために、知っておくべき対策方法を紹介します。
リフォームによる詐欺被害はさまざまな手口がありますが、なかでも訪問販売のリフォーム業者による被害は多いものです。
「屋根が壊れておりすぐに工事が必要」「今なら工事が安くなる」などと言われ、契約すると高額な料金を請求されるケースもあります。
もちろん、訪問販売を行う優良なリフォーム業者も存在するため、一概に訪問販売が怪しいとは言い切れません。
しかし、ほかの住宅を例に挙げて不安をあおったり、早急な工事をすすめたりする場合は要注意です。
もし詐欺にあったかもしれないと感じたら、下記の公的な相談機関へすみやかに連絡してください。
リフォームの契約後、「計画から大幅に遅延し、着工のめどが立たない」「工事が半年以上中断している」などのトラブルが起こる可能性もあります。
さらに人手不足や事業者の問題で計画通りに進まず、破産を告げられるケースも。
費用を全額前払いしており、そのままリフォーム業者と連絡が取れなくなってしまう事例も見受けられます。
リフォームは躯体の状態などを見極めるのが難しいため、住宅の状態によっては、追加工事の発生で完成が遅れることもあります。
しかし、何の説明もないまま工期が大幅に遅れたり、遅延保証などの対応を怠ったりするリフォーム業者は注意が必要です。
このようなトラブルを避けるためには、倒産した場合の費用を保証してくれる「完成保証制度」に、加入しているリフォーム業者を選ぶとよいでしょう。
また、計画を変更するときは必ず協議することを約束し、契約書に記載してもらうのもおすすめです。
リフォームは、着工してはじめて住宅の不具合が見つかったり、想定していた構造ではないことが発覚したりと、予想外の出来事が起こる可能性も少なくありません。
そのような場合は工事内容を変更せざるを得ず、当初の見積もりよりも費用が多くかかってしまいます。
追加工事が発覚した時点でリフォーム業者と話し合い、予算内でリフォームができれば問題ありません。
しかし、「工事後に納得できないような高額な費用を請求された」「契約書に追加工事を行う旨は記載されていなかった」などの場合は、トラブルに発展する可能性があります。
このような状況を防ぐためには、契約段階でリフォーム業者と追加工事についてよく話し合っておくことが大切です。
どのような工事が発生する可能性があるのか、誰が費用を負担するのか、追加工事を行うときはどのように通知するのかなどを決め、書面に残しておきましょう。
リフォーム工事中の騒音や粉塵、臭い、車両の出入りなどが原因で近隣住民からクレームが入ることがあります。
特に外壁・屋根の工事は野外で作業を行うため、隣の家との間隔が狭い戸建住宅や、近隣の車や荷物がはみ出している場合などは注意が必要です。
近隣住民とのトラブルを防ぐために、工事前は必ず近所の家へ挨拶に行きましょう。
工事期間いつからいつまでか、騒音や臭いが特に発生しやすいのはいつか、延長の有無などを丁寧に説明することが大切です。
また、外壁・屋根などの工事で塗料や粉塵が付着する可能性がある場合は、車や植物などを移動してもらいましょう。
工事完了後も挨拶に行き、無事に完了した旨と、お礼を伝えるとより好印象です。
リフォーム業者は、それぞれに異なる特徴があります。「満足度の高いマンションリフォーム」「デザイン性の高い空間づくり」など得意な施工があるため、それらを理解したうえで依頼することが大切です。
まずはホームページなどで過去の施工事例をチェックし、依頼したいリフォームの実績があるかどうかを調べましょう。
またリフォームは費用や近隣住民、リフォーム業者とのやり取りなどでトラブルが発生することもあります。
複数の業者に相見積もりを取る、近隣への挨拶を徹底するなどあらかじめ対策を行うことが大切です。
リフォーム業者を選ぶときは金額が安いからといって即決せず、見積書の内容や担当者の雰囲気、アフターケアの有無などを総合的に判断するとよいでしょう。